『HAPPY NEW YEAR』(舟岸南様(ジャスコ邪馬台国店))

※こちらは無料の試し読みのみのレビューです


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タイトルに反して主人公にとって楽しくない物語ですね。

開幕から上司のパワハラとゴミみたいな残業。

ですが、その情景を描く主人公の語り口はとても軽快。

別に主人公が特殊な性癖を抱えていたり、働かせてもらえるだけでありがたいと思ったりしているせいで怒りを覚えることさえできない訳ではありません。

しっかり現実に対するいら立ちを持っています。

たとえば上司のことを”ガマガエルみたいで醜い禿げつるてんのセクハラクソバカ上司”と思ったり

たとえば夜の街で遊ぶ大学生たちのことを”どんちゃんバカの類人猿ことFラン大学生たち”と形容したり

ともかく怒りが鋭いんですよ。まるで剥き出しの刃のように。

怒りという感情は永続しないものですが、極度のストレス状態に陥るとストレッサーが周囲に無限に存在するものですから、怒りを捨てて心が休まる時間がありません。

主人公は怒りを心に秘めたまま自宅へと向かいますが、突然現れた男が主人公の頭をハンマーで殴ります。

疲労困憊だった主人公は気絶。

これからどうなるのか、と思った瞬間に試し読みが終わります。

これから先の展開については想像もつきません。

わかっているのは、主人公が過酷な環境にいることと行き場のない怒りを抱えた性格であること。

いや、全く先の展開が想像できません。

ここまでの情報からして主人公が身代金目的でさらわれるとも考えられませんし、殺されたにしては描写があっさりしているし……

先が気になる方は本を買って読みましょう!


レビュワー:キタイハズレ(文芸高等遊民所属・サイトオーナー)


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