国道百合線 『旅と百合』アンソロジー (文文文庫様)

※こちらは無料の試し読みのレビューです


文文文庫「旅と百合」テーマアンソロジー「国道百合線」
寒川ミサオ・空木賢一・鳥原継接の短編が19種類。今まで以上のボリューム感。
少女が旅をする。百合をする。

バットで、忍者で、アフガンで、札束をばらまいて、ホラー?SF?純文学?旅する百合する短編集。

収録作

「すっきりサヨナラホームラン」鳥原継接

「明日のキミと会うために 」空木賢一

「ゴールデン・デイズ 」寒川ミサオ

「レンタント、九州へ行く 」鳥原継接

「URKEEN-①南国編」寒川ミサオ

「URKEEN-②瀬戸内編 」寒川ミサオ

「URKEEN-③大阪編」寒川ミサオ

「寧々と、籐子と、柳次郎の恋。」空木賢一

「エコーロケーション 」寒川ミサオ

「ニコ」鳥原継接

「カエルの姫さま」空木賢一

「ラジオガールゴーゴー」寒川ミサオ

「レンタント、地獄のアフガンへ行く」鳥原継接

「エルちゃんのお隣事情」空木賢一

「好きなひとのはなし」空木賢一

「観賞魚の窒息法」寒川ミサオ

「URKEEN-④東京編」寒川ミサオ

「URKEEN-⑤霊山編 」寒川ミサオ

「RENTanTo、怒りのデスロード」鳥原継接


試し読み「すっきりサヨナラホームラン」鳥原継接→こちら


百合ですよ、皆さん!

もちろん世の中には百合が嫌いな方もいらっしゃると思いますが、百合が好きな方は多いのではないでしょうか。

私も百合小説を書こうとしたのですが、結局着地地点を明確にイメージできなかったので4万文字書いたところで頓挫してしまいました。

当たり前といえば当たり前ですが、意外と難しいんですよね。

さて、「すっきりサヨナラホームラン」について語ると”ちょっと生臭い”です。

ピュアな百合ではなく、肉体関係ありですので。

磯臭い田舎に住む主人公は「大将」とあだ名されるくらい普段は豪胆なふりをしているのですが、実のところ豪胆さとは真逆の初心さを秘めています。

そして主人公が憧れるヒロイン「チユ」は成績優秀で、きっとこんな田舎では都市で素敵なキャンパスライフを送るのだろうと思っていました。

ところでその田舎には「バッティングセンター」と呼ばれる小屋がありました。

要するに、「棒」と「玉」で遊ぶところです。

主人公が好奇心でバッティングセンターに立ち寄るとそこには憧れのチユがいました。

しかもチユは肌をさらしながらこちらを手招きしたのです。

そしてそのまま……

自分に対して劣等感を持ちながら自分以上の存在に憧れる主人公が自分とは別世界にいるはずのヒロインと肌を重ねる。

女同士という背徳感と、憧れの人と致す喜び、意識があやふやになる非現実感……

プラトニックな愛もいいですが、こういう肉欲が混ざった愛もまた乙なものでございます。

ごっつぁんです。

続きが気になる方は買いましょう。



レビュワー:キタイハズレ(文芸高等遊民所属・サイトオーナー)

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